鼻の病気

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1.鼻血がでる

鼻血が出る場所は鼻中隔の前部(キーゼルバッハ部位)と下鼻甲介の後部に多いとされていますが、ほとんどはキーゼルバッハ部位です。比較的前方なので、鼻を強くかんだり、いじったりすることで傷ができて出血します。止血方法は、血の出ているほうにやや大き目の綿球を入れて鼻を親指と人差し指で強くつまみます。上を向くと血を飲み込んでしまうので、下を向きましょう。 30分たってもとまらないようなら耳鼻咽喉科へ受診したほうが良いと思います。まれに、鼻の腫瘍の初発症状としての鼻出血もありますので、なかなか止血しなかったり、繰り返したりする出血は専門医の診察を受けてください。 キーゼルバッハ部位よりの出血の場合には、止血剤の投与と、必要であれば硝酸銀か電気凝固を行います。もちろん、血液検査を行って出血傾向の有無を調べておくことも必要です。これらの方法によっても止血しない重症の鼻出血には、鼻の中にガーゼを 4-5日間挿入して止血を行います。

鼻の解剖図

2.鼻水、くしゃみ、鼻つまり

鼻炎の 3症状は鼻水、くしゃみ、鼻つまりです。現代、日本人の3大アレルゲン(アレルギーの原因)はスギ・ダニ・ハウスダストと言われています。このアレルゲンが鼻の中の粘膜に触れるとアレルギー反応(I型)が生じてヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出され、アレルギーが発生します。鼻アレルギーの患者さんの鼻の中を見てみると、粘膜は腫脹し、鼻水が多量に見られ、空気の通り道が狭くなっています。

  検査は、まずアレルギーの原因が何かということを調べて除去することが第一です。皮膚にアレルゲンを接種して反応をみるスクラッチテストや血液検査からアレルギー反応を見る方法があり、一度は検査をして自分のアレルゲンを確認することも重要かと思います。しかし、アレルギー検査をしても陽性に出ない患者さんも多いのが実状です。また、鼻水を採取して調べてみると鼻水中の好酸球が増加してくることも特徴ですし、鼻の中にアレルゲンを染み込ませた紙を置いてみると実際にアレルギー症状が出現してくることも検査として行われています。

治療は(1)抗アレルギー剤の投与が一般的です。かなり多くの種類があり、それぞれに特徴も有る他、眠気の副作用、併用薬の問題、内服の回数の相違があります。(2)点鼻スプレーも併用されます。ステロイド剤が含まれているものやアレルギーを化学的に抑えるものもあります。(3)手術も行われています。下鼻甲介を外科的に切除、電気にて焼灼、レーザー照射などの方法があります。順に効果が長く続きますが、その分入院、通院の期間がかかります。当クリニックでは、外来手術(デイサージャリー:day surgery)として、レーザー手術を行っています。手術時間は数分で、痛みはほとんどなく、通常の生活・仕事の制限はありません。このような手術を行うとアレルゲンにさらされる面積が狭くなり、鼻の空気の通り道も広くなるので、症状は非常によくなることが多いようです。

3.鼻が臭く、汚い鼻汁がでる

鼻水が黄色や緑色になって臭くなることがあります。このような症状は慢性副鼻腔炎です(いわゆる蓄膿症)。鼻のまわりにある副鼻腔という空洞内に粘膜が厚くなって細菌感染がおこり、膿のような鼻水がでてくるのです。成人にも小児にもおこりますが、小児はアレルギーの合併が多いといわれますし、小児期の副鼻腔炎が将来もずっと成人の慢性副鼻腔炎になるとは限りません。根本的には副鼻腔にきれいな空気が換気されないことが原因の一つなので、まず鼻の中をきれいにするようにします。副鼻腔炎が長く続きますと、粘膜の肥厚がさらに強くなり、鼻の中にまるでキノコのように伸びてきて、鼻の中の空気の通り道を塞いでしまいます。このキノコのような粘膜を鼻ポリープ、鼻茸(はなたけ)と呼びます。

  検査をすると、鼻の中に膿性鼻水があったり、レントゲンで副鼻腔に影が映ったりします。空気にさらされると死んでしまう菌(嫌気性菌)も原因菌であり、このような細菌は臭いガスを産生します。近年、副鼻腔炎の原因となる菌も抗生物質の乱用により感受性が低くなっており、できれば菌の感受性を検査して有効な薬剤を使用しましょう。

  治療は(1)抗生物質、痰や鼻水を柔らかくする薬、抗炎症剤などを投与し、ネブライザーという薬剤を粒子状にして吸入療法をおこないます。細菌は鼻の粘膜の抵抗力を強くするために、ある種の抗生物質(マクロライド)の少量長期投与療法も有効です。(2)薬剤・ネブライザーでも改善しない時、鼻茸が有る時には、手術が有効です。以前は歯肉の上を切って、頬の内側の骨を削った手術を行っていましたが、最近は鼻の中から内視鏡を使用して手術を行え、患者さんの苦痛が少なくなっています。



鼻内写真
鼻内写真
鼻茸のシェーマ 鼻茸のシェーマ

4.臭いがわからなくなった

ご飯の香り、香水のにおい、ガスが漏れている時の臭い、生ごみの臭いなどがわからなくなることがあります。多くは、鼻の中の上方にある臭いを感知する神経の場所まで臭いの分子がたどり着けない為におこります。副鼻腔炎で鼻の中に鼻茸がつまっていたり、鼻炎で粘膜がひどく腫れていたりする時、また副鼻腔炎で膿性鼻水がでて嗅覚が麻痺してしまう場合などがあります。早期に治療すると回復しますので、専門医の治療を受けたほうがよいでしょう。嗅覚も、人が生存する上であまり重要な機能でないとはいえ、大切です。
検査は鼻内の内視鏡検査とレントゲン検査を行い、臭いの元を注射したり嗅いだりして感覚を調べます。
治療は、元疾患の治療、ビタミンB12の内服、ステロイド剤の鼻内点鼻治療が行われます。

5.鼻が痛い

鼻が痛いと感じるのは、 (1)鼻入口部炎といって、鼻の入り口に近い部位に炎症が起こる時。(2)鼻アレルギーで鼻粘膜がアレルギー反応をおこして過敏になっている時があげられます。殆どの場合は癌などの心配する病気ではないことが多いと思いますが、なかなか治らない時にはやはり耳鼻咽喉科専門医に相談しましょう。

6.頬が痛くなった

(1)過去に蓄膿症の手術をした患者さんより、頬が痛くなったという訴えをいただいたことがあります。以前は歯肉部を切って蓄膿症の手術を行いましたが、平均20年程度で、のう胞が形成されていわゆる再発した状態になります。こうなると急激に頬が腫れて痛くなります。放置しておくと周囲の骨が薄くなって、眼球や脳を圧排することもあります。頬だけではなく、目の周りのことや前頭部のこともありますが、CTを撮影すると一目瞭然です。治療は手術で摘出するのがもっとも良い方法ですが、一時的には針でさして内容物を排液することも可能です。(2)急性副鼻腔炎では急に頬が腫脹して汚い鼻水がでます。特に新生児ではこの症状は重篤かつ早期に進行しますので、注意が必要です。(3)頬部の痛み・腫脹・出血の3症状があると副鼻腔の腫瘍をまず疑います。早期発見、早期治療が重要ですので専門医に診てもらいましょう。

7.花粉症

毎年春が近づくとスギの花粉が飛散して多くの人が鼻炎、目のかゆみを訴えます。これは植林されたスギの木が気温の上昇に刺激されて花粉を放出するためです。以前はこのようなスギはなかったこともありますが、日本人の社会環境、大気汚染、体質の変化などによりスギ花粉に対してアレルギーを持つようになってしまったのが実状です。季節の恒例のようになってきてはいますが、春の天気の良い日におもいっきり外に出られないのは悲しいことではないでしょうか。マスクとめがねをして外へでるなんて、今から 10年前はまったく考えもしなかったことです。

 春先にくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみがおこり、ゴールデンウィーク頃には治ることをくりかえしているならばまず花粉症と思って間違いはありません。子供からおとなまで発病します。血液検査や皮膚のスクラッチテストでスギにアレルギー反応が認められれば確実です。

  治療は、抗アレルギー剤の内服がもっとも有効で、特に抗ヒスタミン作用の含まれているものが効果があります。その反面、眠気などの副作用もあります。花粉飛散前から内服すると予防効果も認められます。症状がおきてしまったら、鼻の吸入薬、点眼薬が有効です。また、ステロイドホルモンはアレルギー発生を抑制しますが、ステロイド剤の注射は副作用も予想され、耳鼻咽喉科専門医の間では一般的には行われてはいません。減感作療法は体質を変える唯一の方法と思われますが、アレルゲンを少しずつ注射してだんだん濃度を濃くしていきますので2年くらいの期間がかかり、また、有効と判断される人はおおよそ半分を超えるくらいと思われます。鼻内の下鼻甲介をレーザーで焼灼すると花粉にさらされる部分が減り、空気の通り道が広くなるのでかなりよくなります。しかし、スギの季節でない鼻炎の落ちついている時に行ったほうが有効です。

8.新しいスギ花粉症の治療法―舌下免疫療法―

従来から行われていたアレルゲン免疫療法に加えて、舌の裏にアレルゲンを少しずつ入れていく治療法が舌下免疫療法です。平成26年10月8日こころから開始になります。 まず受診していただき、年齢(12歳から65歳まで)、基礎疾患、スギに陽性かどうかのチェックをしたのち、後日完全予約で減感作療法を開始します。まれにアレルギー反応をおこすので、初回は院内で行うことになります。7割くらいの患者さんが有効と言われていますが、中には効果の少ない方もおられます。これらの点を十分にご理解の上行っていきましょう。費用は3割負担の方で月に1000円ほどと聞いています。

詳細は「トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ」をご覧ください。
http://www.torii-alg.jp

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